親族であるからと保証人ではないのに、業者に無理やり支払わされた場合は?
保証人でもないのに、借金を無理やり支払わされてしまったという場合には、貸主に対して、その返金を請求することは、理論的には可能です。
民法705条で、本来、返済する義務がないのに自分からすすんで支払ってしまった(非債弁済)ときには、その取り戻しを請求できないと規定されています。
しかしながら、これは貸主に強要されて支払ったときや、本当は支払わなくてよいことを知らないで支払ってしまったときには該当しません。
よって、そのような場合には、貸主が受け取ったお金は不当利得にあたりますので、その返還を請求することができます。
また、貸主の返還請求が、無理強いを超えて脅しにまで至っているケースであれば、貸主の不法行為によりやむなく返済したものであるので、その返済金は損害に当たるとして、不法行為に基づく損害賠償を貸主に求めることができます。
ただし、現実的には、相手方が素直に返金に応じる可能性は少ないといえます。
返済しすぎたお金については?
法律の制限を超える高利を付して返済したために、返しすぎとなった部分のお金については、返しすぎとは知らずに返済していたときは当然ですが、返しすぎと承知の上で支払った場合でも、やむを得ないと認められる事情があれば取り戻すことができます(東京地判昭51.6.15、東京高判昭55.11.25)。 |