どうなりますか?
法律どおりに考えますと、被害者は押し貸しされたお金については、そのまま返還する必要はありません。
というのは、不当利得については返還する必要があると前述しましたが、あくまでこれは原則で、条文には「その利益の存する限度において」とあるからです。
つまり、現存利益(残っている範囲)で返還すればよいということです。
よって、入金されたことを知らなかった善意の利得者であれば、遊びなどに使ってしまったときには、残っている範囲で返還すればよいということになります。
ただし、別の借金に充てたり、生活費に使ってしまったときには、押し貸しされた全額が「現存利益」として扱われますので注意してください。
なお、後述するように、押し貸しと知りながらお金を使ってしまった場合には、不法原因給付に当たるのかどうかの判断が難しいですから、軽率な判断を避けるためにも、専門家に相談するようにしてください。 |