会社の役員になったら連帯保証人にならなくてはいけない?
日本の金融機関では、中小企業に対する融資においては、社長だけでなく会社役員にまで連帯保証人になることを求める傾向にあります。
しかしながら、それでは、会社が倒産すると自宅まで取られてしまうことになりかねません。
オーナー会社であれば、それも致し方ないとも考えられますが、一般のサラリーマンが出世して役員になった場合には、それでは悲劇としか言いようがありません。
法律的にはどうなのですか?
法律的には、連帯保証契約というのは、貸主と保証人になろうとする人との間で結ばれる契約ですから、たとえ社長に頼まれたからといっても、自分の判断で契約するかどうかを決めることができます。
商法などの法律でも、会社役員が連帯保証をする義務について定めてはいません。
とはいえ、社長から頼まれて断るというのは困難でしょうから、最終的には、連帯保証人にならざるを得ないのかもしれませんが…。
連帯保証人になる前に、自宅を妻名義にするのは?
会社役員になるにあたって、連帯保証人にならざるを得ない場合、自宅を妻の名義にしてはどうかと思われるかもしれません。
この方法については、自宅を妻へ名義移転したことが詐害行為としての取消しの対象になるのかということが問題になります。
この点、名義移転した時点では連帯保証債務を負っていないのですから、債務者を害したことにはならず、名義移転は有効であると思われます。
ただし、その事実を会社や金融機関が知ったときには、信用がなくなってしまうということも考えられますから、それも合わせて検討する必要がありそうです。
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