自己破産と給料の差押えについて
今回のテーマは、自己破産と給料の差押えについてです。
さて、自己破産をすると給料まで差し押さえられてしまうのでしょうか?
結論から申し上げますと、平成16年の法律改正によって、給料が差し押さえられるようなことはなくなりました。
では平成16年の法律改正について少し触れてみたいと思います。
平成16年の改正前は、自己破産しても債権者が給料を差し押さえるなどの個別執行がなされる余地がありましたが、平成16年に破産法が改正されたことにより、破産に際しては、以下のような手続が禁止されたり中止されることとなりました。
これにより、実質的に自己破産しても給料が差し押さえることはなくなりました。
■強制執行
■仮差押え
■仮処分
■破産債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行
■破産債権を被担保債権とする留置権(商事留置権は除きます)による競売
これは、破産手続と免責手続の一体化と破産者の経済的再生を図るという目的で改正されたものです。
従いまして、免責許可の申立てがあり、かつ、同時・異時廃止決定の確定や破産手続終結の決定があった場合には、破産債権にもとづいた強制執行や国税の滞納処分等が禁止されることになります。
もし仮にすでになされてしまっていても強制執行等については中止されることになったのです。
つまり、自己破産した場合は、手続が終結した段階で免責許可の申立てをしていれば給料債権が差し押さえられることはないといえます。 |