深夜の電話催促によりノイローゼ状態で利息制限法の上限を超える利息を支払った場合について
今回のテーマは、深夜の電話催促によりノイローゼ状態で利息制限法の上限を超える利息を支払った場合についてです。
さて、例えば返済を延滞してしまったことで深夜の電話で催促を受けるようになり、ノイローゼのような状態で利息制限法の上限を超える利息を支払ってしまった場合、これは返済をしてもらえるのでしょうか。
結論から申し上げますと、このようなケースは、債務者が「自己の自由な意思によって」支払ったとはいえませんので、貸金業規制法のみなし弁済には該当しません。
よって、制限利息を超える部分については元本に充当できますし、元本を完済されている場合には、それについての返還を求めることができます。
ここで深夜の電話での催促というのは違法なのでしょうか?
結論を申し上げますと、深夜の電話で催促するという行為は違法です。
貸金業規制法では、「人を威迫し又は・・・人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により」取立てをしてはならないと定められています。
また、その具体的な例として以下のような行為を掲げています。
(1)正当な理由なく、社会通念に照らし不適当と認められる時間帯※に電話連絡、ファクシミリ送信、または訪問すること
※内閣府令では、午後9時から午前8時までとされています。
(2)正当な理由なく、債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話連絡、電報を送達、ファクシミリ送信、または訪問をすること
具体例の場合は、上記(1)の場合に該当しますので、貸金業規制法違反ということになります。
ちなみに、債務者側で自発的に承諾している場合や、連絡をとるための合理的な方法がないといった「正当な理由」がある場合には、違法にはなりません。 |