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友人に名前を貸して借金を背負ってしまった場合

友人に名前を貸して借金を背負ってしまった場合について

今回のテーマは、友人に名前を貸して借金を背負ってしまった場合についてです。

例えば、Aさんが友人Bに借金をするので名前を貸してくれと言われて、何の気なしに「いいよ」と返事してしまい、友人Bが本当にAさんの名前で借金をしてしまったような場合、名前を貸したAさんも責任を負うのでしょうか?

結論から申し上げますと、原則としては、たとえ軽い気持ちで返事をしたとしてもAさんは「いいよ」と承諾してしまっていますので、名前を貸した方も責任を負うことになります。

実際には、友人BがAさんになりすまして借金をしたか、またはAさんを保証人として書類に署名して借金したのだとは思いますが、どちらにしても、Aさん自身が債務者として、もしくは、保証人としての責任が発生します。

ただし、この場合の「いいよ」というのが真意ではなくて、その場限りのものであることが明らかな場合は別です。その場合は、友人Bに嘘とか冗談を理由に無効と主張できるでしょう。

とはいえ、軽はずみな言動は、後に面倒な訴訟や損失につながることもありますので日頃から十分注意したほうがよいです。

では、このような場合、金融業者には責任はないのでしょうか?

実際、今の法律ですと、金融業者は本人確認をしなくてはいけませんので、友人Bがなりすましで借金をすることはわかるはずなのです。

というのも、平成15年から、いわゆる本人確認法(金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律)が施行されていますので、金融業者には原則として本人確認が必要になっているからです。

なので上記例のような、いわゆるなりすましの場合にも、本人確認の手続により、その友人Bが本人でないことがわかる場合と考えられます。

従いまして、金融業者がきちんと確認や審査をしていなかったのだとしたら、金融業者としての基本的な注意義務に反する過失があることになりますので、そもそも金銭消費貸借契約自体が成立していないと主張することもできそうです。


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